• お仕事
  • 『Grande ひろしま Vol.19』掲載


    地元広島の雑誌『Grande ひろしま Vol.19』(2017年12月1日)の特集「ちひさきもの」に、花霞堂の豆本を取り上げていただきます。カラー見開きでの掲載です。しとしとと降る雨の中で取材していただきました。
    Amazonでの取り扱いが始まりましたら、リンクを追加します。

    こちらの発売に合わせて、こまもの屋toro*toroさんに、いくつか豆本を納品する予定です。
    豆本の制作も、もう少し落ち着いたら増やしていきたいなと思っています。

  • お知らせ
  • 個展「ある寄宿舎のビター・スヰート」御礼


    2017年2月15日(水)~26日(日)の期間、点滴堂さんで行った花霞堂個展「ある寄宿舎のビター・スヰート」、お陰様で無事終了いたしました。予想以上にたくさんの皆様にお越しいただいた、幸せな展示となりました。改めて、御礼申し上げます。ありがとうございます。

    本展示では、“花園”と呼ばれる学舎の寄宿舎に暮らす四人の少女の物語を軸に、「彼女たちが使っている」品を展示販売しました。


    展示の様子。黒のカトラリーと薄紅色の花、リボンがアクセント。


    「彼女たちの図書カード」/「彼女たちの蔵書印」/「彼女たちのレターセット」


    個展仕様のショップカード。


    チョコレートのタブレットを模した一筆箋は、アンティークのレタースケールとともに。


    四人の少女たちの影絵を、四つの引き出しに配して展示していました。


    寄宿舎の机みたいな場所を設けたいと思い、このスペースには椅子を据えていただきました。


    そっと置いていた黒いノートに、たくさんご感想をお書きいただきました。何度も拝読しています。
    会期中は初日と最終二日滞在していたのですが、実際にここでメッセージを書いてくださる姿も拝見できて、嬉しかったです。


    リトルプレス「ある寄宿舎のビター・スヰート」(新書判/104p/変型カバー)
    リトルプレスは、会期後半の納品だったにもかかわらず、たくさんの方にお求めいただき、最終日に完売いたしました。ほんとうに、ありがとうございます……!(3月下旬再版が届きます)
    濃いチョコレート色のカバーから表紙の金色がちらりと覗くようすは、一筆箋と同じくタブレットのイメージでデザインしました。


    また、個展期間中は、点滴堂さんの本棚の中に薄紅色の栞をしのばせて、ささやかな企画を行いました。
    栞を見つけた方には、栞+①花霞堂の品をひとつ②点滴堂の本を一冊③ワンドリンク注文のいずれかで、ささやかなノベルティをお渡しする(そして、お時間があればお好きな本に挟んでお帰りいただく)……という企画です。はじめからこの企画をするつもりで、点滴堂さんにお願いして実現したのですが、予想以上にお楽しみいただけたようで、期間中Twitterで反応がうかがえる度にやってよかったな、としみじみしました……。


    いちばん最初は、すきな本に挟みました。
    すきな文章や挿絵の箇所に挟んだり、個展とからめた文章のところにはせてくださったりと、私が拝見したかぎりでも、さまざまに楽しんでいただけたように思います。
    お越しになった方の時間とお手間をほんのすこし拝借する企画だったので、どなたかが喜んでくだされば……という気持ちでしたが、点滴堂さんがていねいにご案内くださったことと、初日に来てくださった方々がとても素敵に受け止めてくださったことで、色んな方に企画を知っていただくことができました。点滴堂という場所と、うつりかわっていく本とを介在したゆるやかな繋がりの企画をやさしく楽しんでくださり、ありがとうございました。

    この企画は、個展と点滴堂さんの空間を近しくする目的とともに、リトルプレスで描いた物語と個展とを結びつけるものでした。
    リトルプレスに登場する白い図書室と真珠色のリボンをゆわえた薄紅色の栞は、個展の空間をお楽しみいただいた方にはちょっと面白いかもしれないモチーフとして、ひっそり登場しています。
    (……という趣旨のため、該当する部分は、実際に御覧いただいていない方にもわかりやすいように、再版にあたってすこし加筆しています)
    以前発行したリトルプレス「爪先に、結んだリボンをひっかける」とのゆるやかな繋がりとともに、少女たちの物語を垣間見ていただければ幸いです。


    会期中は色とりどりのお菓子を頂戴したり、リトルプレスの感想(なんとすぐにお読みくださってまたお越しいただいた方や、「爪先に、~」を深く読み込んでくださっている方など、嬉しい驚きでいっぱいでした。ありがとうございます)や以前作ったものまで、様々にお言葉をいただきました。
    初めての個展ということもあり、ほんとうに色々なかたにご協力をいただきながらご迷惑もたくさんおかけしてしまった中での開催でしたが、こんなにたくさんの方にお読みいただいていたり、見ていただけていたんだなということを実感した二週間だったように思います。

    まだ終わらないうちから、次の個展も楽しみにしているというお言葉をいただいたりと、本当に恵まれた個展でした。
    ありがとうございました。

    *個展の新作は、3月下旬~通販でもお求めいただけるよう準備中です
    *引き続き点滴堂さんではお取り扱いいただいています&栞企画もなくなるまではひっそり行っていただいています

  • お知らせ
  • 個展「ある寄宿舎のビター・スヰート」のおしらせ

    来年の早春、バレンタインの名残香る頃に、花霞堂の個展を開催いたします。

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    花霞堂個展「ある寄宿舎のビター・スヰート」

    ――人知れぬ花園で、あなただけは永遠に特別。

    世間から深く閉ざされた、とある女学校の寄宿舎に暮らす、四人の少女たち。
    一冊の物語と彼女たちにまつわる品々で花園の秘密を繙く、小さな個展を開催します。

    会 期 : 2017年2月15日(水)~26日(日) *月・火 定休
    時 間 : 12:30~21:00
    会 場 : 古本カフェ&ギャラリー 点滴堂
    場 所 : 〒180-0006 東京都武蔵野市中町1-10-3 2F
    電 話 : 090-6796-5281 

    ◎会期中、点滴堂の本に潜んだ薄紅色の栞をみつけた方には、
    小さな秘密のプレゼントをお渡しします。*詳細は後日・店頭にて

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    閉ざされた空間に生いる少女たちの、ひと匙ばかり甘さ薫る物語と紙文具を中心とした品で、
    ちいさな個展を開催します。
    スヰート、すこし見慣れない字面かもしれませんが、「スウィート」と読みます。
    なんと、点滴堂さんでの個展です。お近くの方はぜひお立ち寄りくださいませ。

    展示のおしらせは、随時 Twitter:@hanagasumido &こちらにて行います。


    フライヤーの送付をご希望の方は、こちらのフォームからどうぞ。
    刷り上がったフライヤーは、画面で見るよりも落ち着いて、意図したとおりのシックな仕上がりです。
    お手に取っていただければ幸いです。

    どうぞよろしくお願いいたします。

  • 小説
  • 「さよならわたしの白い目見」掲載のおしらせ

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    小説家になろうに、以前創作アンソロジー『異形少女カーニヴァル』(ソウブンドウ)に掲載した「さよならわたしの白い目見」の掲載をはじめました。

    生まれつき常人ならぬちからを持つ〈異形持ち〉は、生きた人間の「あるもの」を食べる。
    〈異形持ち〉は、自分だけの最高のごちそうである人間とともに、閉ざされた学校に集められるきまりだった。宝石のように輝く異形の瞳を持つ捕食者・ちはやと、その被食者・浩文が過ごす、抗えない思春期の物語。

    閉鎖的な学校での、少年少女のお話です。
    2~3日おきの更新です。アンソロジー掲載時のものに、すこし手を入れています。
    そんなに長いお話ではないので、お手すきの時やお休み前にお読みいただければ幸いです。

    *Twitterで上のような画像とともに更新のおしらせをしています。
    なぜ2なのかというと、1のときは気恥ずかしくてどうにも作れなかったからです……。撮りたてほやほやの写真で、告知画像もがんばります。

  • お仕事
  • 「2016 おかやま いまなんどき 豆本どき!」フライヤー

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    岡山で年に一度開催される豆本展「2016 おかやま いまなんどき 豆本どき!」、フライヤーにてお手伝いさせていただきました。
    20名の豆本作家によるちいさく可憐……なだけではない、書物としても「てのひらの宇宙」としても楽しい作品がずらりと並びます。お近くの方もすこし遠い方も、お休みの時期が被っていますので、夏のおでかけやご旅行といっしょに訪ねてみてはいかがでしょうか。

    今年も田中栞さんによるワークショップが開催されます。今年はちょっとしかけのある本が作れたりします。こちらもとってもおすすめ。気軽に楽しく、初めてでも何度でも本を作るたのしみを体験できるワークショップです。

    ※いつもお世話になっておりますが、今回花霞堂は出展しておりません
    ※告知用軽量JPEGフライヤーはこちらから

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    2016 おかやま いまなんどき 豆本どき!
    会期:2016年8月12日(金)~8月21日(日)*16日(火)休廊
    時間:11:00~18:00(最終日~17:00)
    場所:art space テトラヘドロン
       岡山県岡山市北区表町1丁目9-44(アイウェア カイロス2F・旧平田光学)
    電話:086-223-3155
    mail:tetoraks@ta2.so-net.ne.jp
    site:http://tetoraks.jimdo.com/

    ◎豆本ワークショップ
    日本豆本協会会長・田中 栞によるワークショップを今年も開催!
    今回は楽しい仕掛けのある豆本4種+編集教室の5本立て。豆本の魅力から本作りの基礎知識、自分の手で本を作ることの楽しさや説明書だけでは解らないコツまで、豆本の世界をたっぷり味わっていただけます。

    1. ウォルター・クレインの『ABC絵本』
    8月20日(土)11:00~13:30 / 受講料 3000円
    楽しいアンティーク絵本を豆折本に。表紙布などの材料は、お好きなものをお選びいただけます。

    2. パノラマ頁がある豆和本『猫のはなし』
    8月20日(土)14:30~17:30 / 受講料 3000円
    明治時代の豆絵本を亀甲綴じにします。折り畳んだ頁が大きく開きます!

    3. 本作りに役立つ編集教室
    8月20日(土)18:30~20:00 / 受講料 1500円
    本の構成要素やレイアウト、著作権など、本作りに必要な知識をたっぷりレクチャー(テキスト付)。

    4. フラッグブック豆絵本『3匹の子猫』
    8月20日(土)18:30~20:00 / 受講料 1500円
    本の構成要素やレイアウト、著作権など、本作りに必要な知識をたっぷりレクチャー(テキスト付)。

    5. ケイト・グリーナウェイの『マリゴールド・ガーデン』
    8月21日(日)14:30~18:30 / 受講料 3500円
    美しいアンティーク絵本をまるごと一冊、本かがりのハードカバー豆本に仕立てます。

    ワークショップのご予約は、テトラヘドロンへ(tel:086-223-3155 / mail:tetoraks@ta2.so-net.ne.jp)
    *要予約(先着順・定員に達し次第締め切ります)*はじめての方でも本が作れます
    *必要な材料・道具は、全てご用意します *ワークショップは多少延長する場合があります

  • お知らせ
  • 点滴堂企画展「女生徒 chapter.4」

    点滴堂企画展「女生徒 chapter.4」に参加させていただきます。

    花霞堂の少女ラインを並べていただいています。
    二週目に、新作を追加予定です。

    点滴堂さんに初めて行ったのも、女生徒展の頃でした。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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    点滴堂企画展「女生徒 chapter.4」
    2016.6.8(水)- 6.19(日)
    BOOKS & GALLERY cafe 点滴堂
    ACCESS:〒180-0006 東京都武蔵野市 中町 1−10−3 2階
    OPEN:12:00-21:00 ※月・火曜定休
    TEL:090-6796-5281
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  • 読書記録
  • 皐月~水無月の読書メモ

    皐月~水無月にかけて読んだ中から、印象に残ったものをいくつか。
    この期間はインプット……というよりも、知るために本を読んでいた時期でした。


    フィル・ベインズ『ペンギンブックスのデザイン 1935-2005』(ブルースインターアクションズ)
    読めなくても一度は手に取りたい、イギリスの出版社ペンギンブックスのデザインとその変遷が纏められた本。長いこと欲しかった本なのですが、思い出す度に何度か検索して、絶版なのかな……? と思っていたら、数年越しにMARUZENの棚挿しの中に見つけて、閉店間際に飛び上がってしまった。嬉しい。ありがとうMARUZEN。ありがとう棚挿し。


    グラフィック社編『タイポグラフィ09 美しい本と組版』(グラフィック社)
    感覚でしすぎていたところを理論で補えないかなと思い、購入。読みやすい組版というのはほんとうに難しくて、日頃何気なく読んでいる本の、文字をたどるために練られたうつくしさというものに、時々はっとすることがあります。附録の「和文書体 組見本帳」で、ほしいフォントが増えてしまった。


    槻城ゆう子『通りすがりの怪事件』(集英社)
    家の事情で転校を繰り返している女子高生・由葵は、神職の青年・小野と出逢う。
    ピンヒール編み上げブーツと、手書きならではであるのだけど、手書きなのかとまじまじ見惚れるうつくしい線で描かれた黒髪のうるわしさがなんともフェティッシュな見目の「ひとよりちょっとするどい」由葵の可愛らしさと、その転校先でたびたび再会する小野さんのずるーい感じのにやにやじれっとした関係がたまらなかった。
    ……という組み合わせへのときめきもあるのですが、人ならざるものへのまなざしが、こういうジャンルの漫画の中では頭ひとつ飛び抜けた静けさと、人知の及ばぬ領域への敬意や静謐さがあって、とてもすきです。人間の範疇では覆い尽くせない、隣り合った存在とのあり方の描写が、ラブコメににやにやしつつもしんと胸に入ってくる、素敵な物語でした。しかし、もっとにやにやしたくなるので、続きが読みたいです。

  • お知らせ
  • 蔦屋書店「桜桃忌フェア」のお知らせ

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    5/16にオープンしたライフスタイル百貨店「枚方T-SITE」3階の蔦屋書店さまにて、新しくお取り扱いいただきはじめました。

    文学コーナーで開催中の太宰治「桜桃忌フェア」中で、『女生徒』を想起する文具として、「文学少女図書館小品」「女学生ささめき箋」「女学生ひもとき箋」も参加させていただいております。

    本はもちろん文具も豊富そうで、気持ちよく長居してしまえそうなお店なんだろうな……と思い浮かべています。

    花霞堂の品は、読書のお供や誰かにそっと感想を伝えたくなった時など、本のある時間や場所によりそうものであれたら、と思っています。
    どうぞよろしくお願いいたします。

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    蔦屋書店「桜桃忌フェア」
    ACCESS:大阪府枚方市岡東町12-2 枚方 T-SITE 3階
    OPEN:7:00-25:00(不定休)
    TEL:072-844-9000
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    『女生徒』は、こころの柔らかい襞を掴まれてしまういじらしさが何とも言えず、すきな作品です(新潮文庫版では『ろまん灯籠』に収録されています)。
    長編だと『斜陽』がずいぶんとすきで、終わりのほうにある〈私のその恋は、消えていた。〉から始まる数行と、くり返し現れる〈M・C〉がころころと表情を変えながら次第に何を指しているのかあきらかになるところに、読む度に身体の内側を揺さぶられます。


    6月に点滴堂さまにて開催の企画展「女生徒展」(6/8~6/19)にも参加させていただく予定です。
    こちらにつきましても、追ってお知らせいたします。

  • 委託情報
  • 花霞堂の品 常設店一覧

    花霞堂の品をお取り扱いいただいているお店の一覧です。
    お取り扱いいただく品はお店ごとに異なります。在庫状況については、直接お店へお問い合わせ下さい。

    古本&ギャラリーカフェ 点滴堂
    東京都武蔵野市中町1−10−3 2階
    12:30~21:00(月・日定休)

    こまもの屋toro*toro
    広島県呉市幸町3-1 呉YWCA2F i教室
    12:00〜17:00(水・木定休)
    通販:http://torotoro.ocnk.net/

    古本と珈琲 楢
    広島県広島市西区横川町1-10-30
    11:00~19:00(不定休)

    蔦屋書店枚方T-SITE 3階)
    大阪府枚方市岡東町12-2 枚方 T-SITE 3階
    7:00-25:00(不定休)

    ヴィレッジヴァンガードオンラインストア
    通販:http://vvstore.jp/feature/detail/6971/

    *2016年5月現在

  • 読書記録
  • 卯月~皐月にかけての読書メモ

    読んだ本の中から特に好きだったものについて、Twitterで叫んだり叫んでいなかったりする感想をまとめました。


    森晶麿『怪物率』(光文社)
    母親が「かいぶつになる」と書き残して姿を消したことから、怪物の噂を聞くとお屋敷から街へくり出す「怪物狂」の美青年・ナイトさまとお供の美少女・ウサギが出逢う「怪物」と謎の連作短編。
    連作短編ならではの面白さやことば遊びが効いた、とってもキュートなお話だった。
    舞台となる街と「怪物」の関わりであったり、場の設定や名称、ロシアっぽい語尾の喋り方をするイバリヤナなど、登場人物の性格づけや設定が不思議なユニークさで組み合わされていて、そうしたコミカルで記号化された突き抜けた部分と、ウサギや人々のはっきりと言い難い内面のもやもやや、どこか不条理な気さえする街の空気といったところのバランスが気持ちよかった。ウサギがイバリヤナに抱いている執着めいた欲求がなんだかすごくすき。最後に収録されたお話では、切なくもきゅんとして大変だった。何かあれば躊躇無くライターを取り出してナチュラルに脅す美少女、というのもいいな、と思った。そしてもろん、という表現がなぜかとてもツボに入った(何についてのことばなのかはあえて言わない)。

     


    古野まほろ『臨床真実士ユイカの論理 文渡家の一族』(講談社文庫タイガ)
    言葉の真偽、虚実を判別できてしまうユイカとのもとに持ち込まれたのは、外界から隔絶された村で起きた財閥の継承権にかかわる殺人事件について誰が「嘘つき」なのか鑑定してほしいという依頼だった。
    言葉の真偽を判別するユイカの能力のロジカルで「ことば」の性質が活かされた特性と、「謎」の構築の部分に心底ときめいた。ミステリの浪漫を感じた。こういうところまで行ってしまった謎のありように心惹かれるのだな、と思いながら、わあわあと読んだ。古野まほろ作品は、文体や視点の置き方も含め、古野まほろ作品の世界観だからこそ存在する眩しさがすき。

     


    古野まほろ『ぐるりよざ殺人事件 セーラー服と黙示録』(角川文庫)
    ミッション・スクールの名門にして探偵養成学校「聖アリスガワ女学校」春期合宿に出発した島津今日子の班は、目的地とはまるで異なる隠れ里「鬱墓村」に迷いこんでしまった。閉ざされた村には終戦を知らない人々が独自のルールで暮らしていた。
    「セーラー服と黙示録」シリーズ二作目。単行本を積んでいる間に文庫が出ていた。『臨床真実士ユイカの論理』と同じく(とはいえこちらが先に刊行されているのですが)、ロジカルで厳密なルール(村人は「嘘がつけない」等)が設定された閉鎖空間での連続見立て殺人の話。今日子、みづき、茉莉衣の三人の少女がそれぞれフーダニット、ハウダニット、ホワイダニットを担当して謎が繙かれていく過程がとても面白くて、ぐいぐい読んだ。このシリーズの続きも、切に待ってる。面白かった!

     


    小西明日翔『春の呪い』(一迅社)
    一番大切にしてきた妹を亡くした姉と、妹の恋人だった男は「付き合う」ことになった。姉の出した条件は、妹と男が行った場所へ連れて行ってほしいということだった。
    饒舌に流れていくネームと、気がついたら絶妙なところに投げ込まれている感情の動きがとてもすき。この方のお話は、Pixivに掲載されていた漫画(忠犬野郎/来世は他人がいい)をよく読み返していた。単行本を心待ちにしていた。すきです。全二巻予定。